2009年3月10日火曜日

社会構成主義の四つのテーゼ

私たちが世界や自己を理解するために用いる言葉は事実によって規定されない
・いかなる状態に対してもそれを表現する無限の記述や説明,表現方法が存在する
・言語は世界をありのままに写し取るものではない
・私たちが世界や自己について持っている知識は他の解釈が可能である
記述や説明,そしてあらゆる表現の形式は人々の関係から意味を与えられる
・世界や自己について事実であるとみなしているものは個人の心の産物ではない
・心が意味を生み出してたり世界を認識したりするのではなく,人々の関係によって創りだされる
・言語は文化や歴史に深く織り込まれているがゆえに,関係についての理解もまた文化や歴史の制限を受けている
・我々は決して全貌を把握することのできない関係性の総体(仏教でいう「空性」のようなものか?)の中にいる
我々は何かを表現する時,同時に我々の未来を創造している
・特定の言葉や表現を用いることは必然的なものではないために,それによって意味されるものを維持するためには,常にその意味を新たな方法で再構成していく必要がある
・もし何かを変えたいと願うなら「活動的詩人」になり新しい意味を生み出さねばならない
・新しい未来を創造するためには従来の与えられた意味を否定するだけでは不十分であり,それに代わる新しい言葉,解釈,表現,すなわち「生成的言説」を生み出さなければならない
自分たちの理解のあり方を反省することが未来に不可欠である
・妥当な理由,確かな証拠,高い価値は伝統の中に存在し,それ以外の可能性を否定している
・自省(reflexivity):自分が持っている前提や自明とされている事柄を疑い,現実を見る別の枠組みを受け入れ,様々な立場を考慮して物事に取り組む姿勢が不可欠

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