2011年1月2日日曜日

Vancouver 6th day

昨日は市営交通の一日券(デイチケット)を購入して行動範囲を少し広げてみた.まずは来た時に降りたYale Town Round House駅からカナダラインに乗って,King Edward駅へ.そこから山の手へ5分ほど歩くとQueen Elizabeth庭園に辿り着く.このあたり,Vancouver郊外はダウンタウンとは違って空が広い.一軒家ばかりの閑静な住宅街に囲まれるように小高い庭園がある.一番頂上にはドーム型の温室があり,ここだけ有料.それにしても寒い.立派な霜柱があちこちに.小さい頃の冬の日を思い出す.霜柱は冬の到来を告げる.霜柱を踏み砕くのが毎朝の楽しみだった.それを今子どもたちがしている.札幌ではほとんど霜柱を見ない.雪が降ってしまうからだろう.凍えながら遠くにダウンタウンを見る.摩天楼の喧噪が嘘のようだ.
次はKing Edward駅からダウンタウンのWaterfront駅へ.ここはカナダプレイスやギャスタウンの入り口であり,様々な交通機関の乗り換え駅である.ここからSea Busに乗り,対岸のNorth Vancouverへ.North Vancouverはバンクーバーオリンピックの会場にもなったウィスラーへの入り口であり,近郊にはいろいろなゲレンデがある.100人近く乗れるSea Busにも多くのスキーヤーやスノーボーダーが乗っている.しかし我らの目的はLonsdale Quey Market.ここで手頃な海鮮をゲットすること.まずは腹ごしらえに,いい匂いのするスープとパンのセットを.スープの量が多いので二人前を4人でシェア.ただし付いて来るパンだけでは少ないので,ダウンタウンにもあるという美味しいパン屋でパンを追加購入.野菜とTurkeyのエスニックなスープと,じゃがいもとサーモンのスープは,どちらも具沢山で美味しい.Turkeyはこちらではメジャーな肉のようで,スーパーでもよく見かける.とても淡白でヘルシーそうな肉だ.雑貨,海鮮,肉,野菜,果物,おもちゃなどの店とともに,様々な国の料理を出す店が立ち並ぶ.海鮮はGrandvile Marketの方が安いし,品揃えも豊富なのでそちらで購入することにし,オレンジと梨,そしてパパイヤを購入.意外にも,ヴァンクーバーは果物が安くて美味しい.ダウンタウンに戻る前にマーケットの展望台に登る.展望台といっても,港に突き出した鉄塔のようなもの.結構な高さがあり,しかも隙間だらけの階段や手すりが恐怖を誘う.しかしその恐怖に耐えれば,これまた絶景が待っている.といってもThe Look Outほど高いわけではないが,海の向こうにダウンタウンの近代的な都市が広がる光景は絵はがきのよう.夜景はさぞかし奇麗だろうということで,日が沈んでからまた来ることにする.
Waterfrontに戻ると,女チームはショッピング,男チームは危険だと言われているチャイナタウンへ.Waterfront駅からスカイトレインに乗り,BCスタジアム&チャイナタウンという駅が最寄り駅.駅の周辺は高層アパートが立ち並んでいる.駅から徒歩5分ほどで中国式庭園に辿り着く.三国志が好きな息子のために土産物屋によるが,まあ何もカナダで買うような物はない.そしていよいよ中華街へ.漢字表記の看板に,海産物や茸類の乾物屋,チャイナドレスや勾玉を扱う土産物屋など,アメリカ的なヴァンクーバーの中でも異質な空間が広がっている.大きな海鮮饅頭が6個入った袋を6ドルで購入し,待ち合わせのEnglish Beachを目指す.今日こそ日没を見るのだ.
C21番というバスだけがビーチへ行っているので,ビーチの方へ歩きつつ,そのバス停を探す.しかしなかなかなく,結局ビーチまで歩いた.到着したのは待ち合わせ時間である4時の5分ほど前.到着してほどなくして女チームも到着.すでに人でごった返す砂浜でその時を待つ.冬の日没は速い.キツラノのMOV上空にあった太陽がみるみるうちに沈んで行く.オレンジ色に輝く宝石を載せた指輪のようだ.その宝石が徐々に小さくなり,ついには薄紅色の空だけが残され,それも束の間,青みがかった黒いベールが空を覆って行く.日没は日の出と同じように神秘的だが,日没は日の出よりも厳かだ.
疲れたという軟弱な息子をホテルに置いて,残る三名で再びNorth Vancouverを目指す.今度はバスでWaterfront駅へ.なんと5時以降は市営交通のすべてが無料になっている.もちろんSea Busも無料だ.大晦日にはこのような特別な計らいがあるようだ.North Vancouverから眺めるダウンタウンの夜景は圧巻だ.海に浮かぶピンクゴールドの鉱山のようだ.
年越しの夕飯は海鮮饅頭とトマトソースのパスタ.そして年越しには蕎麦の予定だったが,睡魔に負けてまたもや撃沈.次いで娘が撃沈し,新年のカウントダウンがはじまる直前に息子もダウン.年明けまで起きていた妻であったが,隣室の若者たちのおおはしゃぎで寝付けなかったようだ.未だに多くの店でクリスマスの余韻を引きずっているのに,同時に新年を祝うというのも不思議なものだ.

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